今から何年前になるのだろう。
10年ほど前になるのだろうか。
寒い季節、ちょうど今日のような日だった。
仕事関係の食事会で、何社かの企業の方々と円卓を囲んでいたときのことだった。
和やかな雰囲気で会が進む中、自然と阪神淡路大震災の話になった。
メンバーの中に、震災を経験した方がいらした。
朝起きると、廃墟のようになった街に
小さな男の子がパジャマ姿で呆然と立ち尽くしていたと。
皆が真剣に話に聞き入っていると
突然、”すみません”と中座され、しばらく戻っていらっしゃらなかった。
当時の私には
死とか、災害とか、別世界の出来事でしかなかったのかもしれない。
大企業の人事部長、いつも堂々としていらした方
その方が、突然声をつまらせ、中座したことが私には衝撃だった。
震災から何年もたち、その方ご自身は被害を免れたのに
これほど大きな傷跡を残すものなのかと。
震災から20年。
その方がこらえた涙
真っ白なテーブルクロス
その光景がいまも思い浮かぶ
パジャマ姿で立ち尽くしていた男の子は
元気でいるのだろうか。
人は自然の力にはかなわない
けれど、それぞれの英知を結集して、前に進んでいかなければいけないのだろう。
亡くなった方へ手をあわせ
そして
会社として、災害から一人でも多くの方を救う仕事をする。
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