2012年3月28日水曜日

カナダでの生活

結婚と同時にカナダで生活をすることになった。
夫がカナダ政府の奨学金を得る事が出来、博士号取得のため、トロントのヨーク大学へ留学する事に。
何だか、かっこよさげな話だが.......とんでもない貧乏生活の始まりだった(笑)。

夫は当時大学院生で、私も大学を卒業して少し働いただけ。
若いというのは本当に恐ろしい事で、なけなしのお金をにぎりしめ、4つのスーツケースのうち、ひとつにウエディングドレスをつめこんで(向こうで結婚式を挙げる方が安上がりという何とも夢のない話です).......仮に博士号を取得できたとしても、就職等、どうなるかわからないのに。
私の大学のゼミの先生には、本気で反対された(笑)。

飛行機が嫌いで、海外旅行なんて一度も行った事がなかった。
日本が一番だと思ってた。
そんな人間が、片道切符で、4年間トロントで生活をすることになったのだ。

生まれて初めて飛行機から見る”海外”は、緑と湖が圧倒的に多く、”あ〜日本とは何となく違うなあ”と。

毎月600ドルの奨学金のうち、400ドルが寮費(家賃&光熱費)に消える生活。
でも残りの200ドルでも、贅沢をしなければ、ちゃんと食べていけた。

日本はちょうどバブルの最盛期だったようだ。
旅行者、駐在員の方はとにかくお金持ちでびっくりすることの連続。
私はもちろん洋服も買えなかったし、1ドルのコーヒーすら我慢する生活。
でも不思議と辛く感じた事はなかった。

あの頃の貧しく、つつましい生活。
カナダで娘も生まれ、ますます貧乏生活が加速して行ったが、幸せだったな。
大学の敷地の中に寮があり、15階の部屋の窓から、娘と一緒に、夫が帰ってくるのを毎日見ていた。
夕食を食べて、3人で散歩する毎日。
敷地の中には小さな池があったり、リンゴの並木道があり、牧歌的な風景の中で過ごした4年間。

カナダは財政的に決して豊かではないのに、こうして留学生を受け入れ、娘にもカナダ国籍を与えてくれた。

もし今、一日だけ過去に戻れるとしたら、小さな娘を連れて、夕暮れの中、あの池のほとりを歩いてみたい。

日本にいる外国人、外国にいる日本人。
遠い故郷を思い、空を見上げている人がいるのかなあ。
あの頃の私がそうしていたように。

写真は、洋服を買えなかったため、娘のために編んだセーターです(時間だけはたっぷりあった)。
今じゃ、考えられない!不器用な人間でもやれば出来る(笑)♩

2012年3月17日土曜日

千葉元気印大賞奨励賞受賞

手帳にはさまれたぼろぼろの紙切れ。
何でもすぐに無くしてしまう私が珍しく二年以上も大切にしている紙切れだ。
そして多分、一生大切にする紙切れ。そこに書いている手書きの文字。

人に勝つビジネスよりも、人や社会に貢献するビジネスを
本当にやりたい事があるなら、自分のリスクで小さく産め
形はあるけれど、想いの無いハリボテは×
信用される会社に
社会に必要とされる会社である事
絶対にぶれない
欲には欲が集まってくる
強い信念
不安や恐怖を受け入れつつ、新しいチャレンジが出来る体制を築く

会社を作ったものの、ベンチャー認定が下りず、引き返そうか、前に進もうか、トンネルの中にいた時期に走り書きした言葉。
自分が考えた文もあるが、目や耳から入って来てストンと心に落ちた言葉。
ときどき、取り出しては読み返し、ほとんど暗記してしまった言葉。
あれから二年。ようやく会社も利益を上げるようになった今でも、しっくりくる。 

昨日、千葉元気印大賞の授賞式に出席してきました。
弊社はベンチャー部門の奨励賞を頂くことが出来ました。
大賞を含め、千葉県内の企業が12社、表彰されたのですが、弊社とは比較にならないほど立派な会社ばかりで、普段のふてぶてしさはどこへやら、会場で小さくなっておりました(笑)。大人の集まりに、ハナタレ幼稚園児が迷い込んだ....という感じ。
どの会社も素晴らしい技術力、サービスをお持ちで、元気な中小企業が日本を支えているのだなと実感したほどです。
頂いた賞に恥じる事のないよう、誠実に頑張って行こうと思いました。

副賞には千葉ロッテマリーンズのバルコニースイートでの観戦チケット(10名分)。
フェイスブックなどで友人に受賞を知らせたのですが、受賞を祝うコメントよりも、バルコニースイートに食い付いてくるヤツ(あ、失礼)、じゃなくて、友人ばかり。
勝手に日程を決めたり、対戦チームを指定してきたり。
すでに20人の友人が、様々な日程、様々な対戦カードで勝手にバルコニースイートでの観戦を妄想しているようです。10人しか、入れないんだってばっ!

妄想友人は自腹で観戦していただくことにして、今まで実験等で協力してくれた研究室の学生さんたちを連れて行こうと思います。
このように立派な賞と素晴らしい副賞、大きな励みになります。
関係者の皆様に心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。

P.S. コメント欄の設定がよくわかっておらず、今、頂いていたコメントに気がつきました。本当に申し訳ありませんでした。これからもどしどしコメントください♩

15年