”初めて自分一人で使えるリモコンと出会いました”
ある視覚障害者からの言葉。
私は今まで何を考え、何を目にしていたんだろう。
そして私を含め、社会は何を追い求め、何を置き去りにしてきたんだろう。
目をつぶって、テレビのリモコンを触ってみる。
今まで生きてきて、リモコンで不自由な思いをしていらっしゃる方がいるとは、考えもしなかった。
ラクエア専用リモコン開発のお手伝いをさせていただいたからといって、製品の宣伝をするつもりじゃない。
”一人で使えるリモコン” は全盲の方にも使って頂けるリモコンだったんだ。
ラクエアのリモコンはダイヤル式だ。
タッチパネルが普及している今、一見、時代に逆行しているかのように見える。
先日、ある展示会で、タッチパネルのリモコンを見て、正直、まぶしく思えた。
おしゃれだなあ と。
でも冒頭の言葉で、それは吹き飛んだ。
同時に、スマートフォンが普及したら、視覚障害の方はどうすればいいんだろうと。
ビジネスは収益を上げてなんぼの世界。
ボランティアじゃない。
でも、お金儲けよりわくわくすることが確実にここにはある。
これからも困難にぶつかり、右往左往するだろう。
社会に認知されるにしたがって、批判を受ける事もあるかもしれない。
でも私は泣きべそをかきながらでも、絶対に前に進んで行けると思う。
私には夢がある。
そして、一緒に仕事をしている仲間、研究者たちの誠実さ、ひたむきさ、妥協を許さない厳しさを私が一番よくわかってるから。
起業を決意してから、もがき苦しんだ3年だった。
冒頭の言葉は、神様からのプレゼントかもしれない。
その言葉は、思い上がった私を謙虚にする。
ありがとう。
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